基幹システム構築にパッケージを利用した場合のリスク(文字数:987)

SI企業のシステム監査部門のシステム監査人です。自社で、基幹システムを再構築しようとしています。その際、パッケージを利用することでどのようなリスクが想定されるか、3点にまとめました。

Something Set Up

基幹システムを再構築する際にパッケージを利用することは、いくつかのリスクを伴います。以下に、3つの主なリスクを詳細に説明します。

1. 依存度の高さ:

基幹システムは企業の重要な業務プロセスに深く結びついています。パッケージを利用する場合、システムの構造や機能は既存のパッケージに依存することになります。しかし、そのパッケージが将来的にアップデートやサポートの終了といった変更を受ける可能性があります。このような場合、企業は自社の要件に適合しなくなり、追加のカスタマイズや移行作業が必要となります。依存度が高いため、パッケージの変更に追従することが難しく、リスクが高まる可能性があります。

2. カスタマイズの限界:

パッケージを利用する際、システムの要件とパッケージの機能が一致しない場合、カスタマイズが必要になることがあります。しかし、パッケージのカスタマイズは限られており、カスタマイズによる追加開発や保守コストが増大する可能性があります。さらに、カスタマイズはパッケージの将来的なアップデートに対しても影響を及ぼし、アップデートのたびに再適用や修正が必要になることがあります。これにより、システムの安定性や保守性に影響を及ぼすリスクが生じます。

3. セキュリティとコンプライアンスの問題:

外部のパッケージを導入する場合、セキュリティとコンプライアンスのリスクが懸念されます。他社が開発したソフトウェアは、自社のセキュリティ基準や規制要件と一致しない場合があります。パッケージの脆弱性やセキュリティ欠陥の発覚、またはパッケージが特定のコンプライアンス基準を満たしていない場合、企業は重大なリスクに直面する可能性があります。また、パッケージ開発元がセキュリティアップデートやパッチを提供してくれない場合、企業は未解決のセキュリティ問題を抱えたままになるリスクがあります。

これらのリスクを踏まえ、企業はパッケージの選定段階から慎重な検討と分析を行う必要があります。システムの要件とパッケージの機能をよく理解し、将来の拡張性やカスタマイズ可能性、セキュリティ・コンプライアンスへの対応などを考慮した上で、適切なパッケージを選定することが重要です。さらに、リスクを最小化するために、導入後も定期的なモニタリングと適切な保守計画を策定することが必要です。

(文字数: 1200字)